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ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 アブドゥライモフ/ゲルギエフ/コンセルトヘボウ管(2017年)

このアルバムの3つのポイント
  • 次期首席指揮者の有力候補?ゲルギエフとRCOによるラフマニノフ

  • 難曲中の難曲であるピアノ協奏曲の独奏はウズベキスタン出身の若きアブドゥライモフ

  • どっしりとした威厳のあるラフマニノフ



ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団によるラフマニノフのピアノ協奏曲第3番の演奏と言えば、ヴラディーミル・アシュケナージとベルナルト・ハイティンクによる1985年の録音を思い浮かべる方も多いだろう。昨年、アシュケナージ(当時82歳)もハイティンク(当時90歳)も現役引退を表明し、一時代を築いた名演奏家たちの表舞台を去ることとなった。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番の演奏を聴きたくなると、私は未だにこのアシュケナージとハイティンクの録音を聴いてしまう。ロシアらしいメランコリーも感じられるし、ピアノとオーケストラがお互いの凄さでさらなる高みに上っているような、そんな感じのする演奏である。

ただ、あれから35年も経っているのだから、新しい演奏も聴きたくなるのもまた事実である。そんな中、コンセルトヘボウ管が2017年10月に演奏したコンサートがRCO LiveからCDリリースされた。

ピアノ独奏はウズベキスタン生まれのベフゾド・アブドゥライモフ(Behzod Abduraimov)、指揮はヴァレリー・ゲルギエフである。このCDの日本販売を手掛けているキングインターナショナルによると、ゲルギエフはコンセルトヘボウ管の次期首席指揮者の有力候補と見なされており、その布石のために、今回緊急リリースとなったようだ。

コンセルトヘボウ管の首席指揮者と言えば、ハイティンクの後、リッカルド・シャイー、マリス・ヤンソンス、ダニエレ・ガッティと、ややベテラン→かなりのベテラン→ややベテランの流れが続いているのだが、その後がゲルギエフだとまたかなりのベテランに託されるということになる。私自身、コンセルトヘボウ管の演奏で何度も耳にするような名演だと思うのは、ハイティンク時代の後半(1980年代〜)、ヤンソンス時代のものばかり。シャイーも今や現在を代表する指揮者の一人になっているが、それもコンセルトヘボウ管のポストの後、ゲヴァントハウス管やミラノ・スカラ座のポストに就いてからの活動のほうが目覚ましい。ガッティもあまり印象に残らないまま、過去のセクハラ疑惑で2018年にポストを解任されてしまった。なので、ゲルギエフにはかなり期待が高まっているのだろう。

ピアノ独奏のアブドゥライモフは1990年9月生まれなので、このコンサートでは27歳という若さ。今回がコンセルトヘボウ管でのデビュー演奏となったのだが、RCO Liveの公式サイトでも、
"With this notoriously difficult concerto the young Uzbek pianist Behzod Abduraimov made his dazzling Concertgebouworkest debut under the direction of Valery Gergiev."
「dazzling(眩しい)」という表現を使っており、そのデビュー演奏が大成功だったことを物語っている。
難曲でも、技巧に酔いしれるところはなく、どっしりとした風格漂う威厳のあるラフマニノフである。

というのも、この演奏では指揮者のゲルギエフがリードしているからだろう。冒頭からテンポはややゆったり目で、切ないピアノのメロディーに対してオーケストラが寄り添うように演奏されていく。信じられないようなテンポで速弾きする演奏のほうが音楽評論家の注目を集めるだろうが、この演奏はその真逆で、あくまで作品を忠実に演奏していこうとする指揮者とオーケストラ、そしてピアニストの三者による壮大な挑戦である。この演奏を聴いてふと思い出したのが、冒頭に紹介したアシュケナージとハイティンクの演奏であるが、時代が変わっても普遍的なアプローチが共通している。そして濃厚な「コンセルトヘボウ・サウンド」も受け継がれている。

オススメしたい現代のラフマニノフのピアノ協奏曲第3番が登場してくれて、本当に嬉しい。

オススメ度:★★★★★
ピアノ:ベフゾド・アブドゥライモフ
指揮:ヴァレリー・ゲルギエフ
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音:2017年10月4, 5日, コンセルトヘボウ(ライヴ)

Rachmaninov_PfCon3_Abduraimov_Gergiev_RCO.jpeg

受賞


新譜のため未定。

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試聴


特に無し。

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